着物の素材と染め

着物の素材と染め

着物の素材は絹だけではありません。天然素材、化学繊維など種類を紹介しましょう。

着物を高く売りたいと思ったら、少しの知識を身に付けておくだけで、査定依頼時に業者とのコミュニケーションもスムーズになりますし、高価買取も実現できます、ぜひ参考にしてくださいね。

代表的な生地の素材

きものに使う素材はいろいろありますが、大別すると、植物性繊維、動物性繊維、化学繊維の3種類になります。
動物性は、蚕の繭からとる絹と、羊の毛からとるウールがあります。
植物性は、綿や麻などに代表される植物の実や茎、葉などの筋からとった繊維を織ったもの。
そして、最後はポリエステルなどの化学繊維。それぞれの特徴を、簡単に見ていきましょう。

絹:美しい風合いに加え、保温性も

代表的な素材。絹は、美しい光沢、軽くて柔らかで滑らかな風合いをもちながら、吸湿と放湿、保温性に優れています。しかも、繊維の隙間にたくさんの空気を含んでいるため、肌にふれると暖かく感じます。絹が薄くても保温・保湿性が良いのはそのためです。
欠点は、水に濡れると縮んだり、摩擦に弱く毛羽立ちやすいこと。そのため、お手入れに手間がかかります。また、日光に当ったり、時間の経過で変色しやすい傾向に。

麻:風通しがよく、張りのある生地

通気性、吸湿性、即乾性に優れた素材。独特の張りがあり、サラリとした肌触りが魅力。風通しがよいので汗をかきにくく、また、かいた汗もすぐに吸い取って乾くため、高温多湿な日本の夏を快適に過ごすのに最適な素材。
水にも強く、家庭で洗濯できるのも多くあります。ただ、張りがある反面、シワになりやすいのが欠点です。
江戸時代に木綿が一般的になるまで、庶民の衣服は季節を問わず、主に麻素材でした。
中でも細い糸で織った上等な麻織物を上布と呼びます。

木綿:丈夫で柔らかな風合いが持ち味

吸収性に富み、肌に添う柔らかな風合いに加え、水に強く、洗濯に耐える丈夫さを備えていることが、普段着として愛されたところ。欠点は縮みやすく、シワになりやすいこと。着物に仕立てた場合、絹よりも若干すべりが劣るため、足さばきが悪くなることも。
室町時代に伝わった木綿栽培。それが全国に広まり庶民の素材として普及したのは、江戸時代中期頃のことです。

ウール:昭和30~40年代前半が全盛期

羊の毛が原料。長所は高い保温性。適度な吸湿性があり、型崩れしにくいのも魅力。安価で、家庭で洗濯できる手軽さから昭和中期頃に大流行。欠点は虫の害に合いやすいこと。保管時は防虫剤をお忘れなく。夏用に絹を混ぜて織った「ポーラ」や襦袢などに使う「モスリン(メリンス)」などもウールを使った生地。

化学繊維:自宅で洗濯できる手軽さが魅力

化学的に合成して作られる人造の繊維。家庭で洗濯できるなど手入れが楽で、価格も手頃。代表的なのもに、ナイロン、レーヨン、ポリエステルなどがあります。
絹よりも水や摩擦に強い反面、吸収性が小さく、静電気がおきやすいのが欠点。風合いも絹よりは劣るとされてきましたが、近年の技術の進歩はめざましく、従来の欠点を克服したハイテク繊維も登場し、愛用されています。

染めきもの

「染め」のきものとは、白い糸のまま生地を織り、後から染めたきもののこと。「後染め」とも言います。

  • 白生地の主な種類

白生地には様々な織り方があり、代表的なものを紹介します。
その白生地を染める手法は多彩です。
また、白生地の多くは繭から取り出した生糸が原料ですが、最近は紬織った白生地もあります。

  • 生糸

蚕から作った繭が原料となる絹素材のきものは、大別して2種。ひとつは「生糸」で、もうひとつは「紬糸」で織ったもの。生糸は繭から引き出した糸を撚り合わせて1本にするが、そのままでは固く光沢がない。正絹のきものは柔らかくツルンとした風合いだが、それは生糸を精錬(生糸のまわりに付いてるたんぱく質、セリシンを除去)することで生まれる。

縮緬:生地の表面に出来る「しぼ」が独自

白生地の代表。生地の表面にある「しぼ」(凸凹のある織り方)が特徴。縮緬は縦糸に撚りのない生糸を、横糸には撚りをかけた生糸(強撚糸)を用いて交互に織り込み、精錬します。すると糸が収縮し、横糸の撚りが戻って、生地の全面にしぼができるというわけ。
縮緬は交互に入れる撚り糸の向き(右撚り、左撚り)や本数でしぼの出し方に変化が出せます。また、生地に模様を織り出した紋意匠縮緬(または紋縮緬)と呼ばれるのも。模様のないものは無地縮緬といいます。
産地は、滋賀県長浜市の浜縮緬と、京都府丹後地方の丹後縮緬が有名。浜縮緬は無地が主流で、丹後は現代感覚に合う紋縮緬も織られています。

綸子:模様を織り出した光沢のある生地

綸子は光沢と地紋(布地に織り出した模様のこと)のある、華やかな雰囲気の白生地。ただし、様々な種類があり、糸の撚りや織り方などによって風合いは異なります、そのため長じゅばんから訪問着まで用途は幅広く、使い分けられています。

羽二重:滑らかで上品な光沢が魅力

縦糸、横糸とも撚りをかけない生糸を用いた生地。そのため、きめが細かく艶があり、滑らかで肌触りのよさが特徴。重量により、重め、軽めに区別され、喪服や男性の礼服から長じゅばんや胴裏などに使い分けます。無地の他、地紋入りも。

塩瀬:よこ畝のある、やや厚手の羽二重

塩瀬羽二重の略称で、羽二重の一種。表面に出来たよこ畝が特徴で、やや厚手の羽二重といった感じ。主に染め帯の生地や半衿などに用います。

薄物:盛夏には透け感のある生地を

7、8月の盛夏に着る透け感のある生地。絽、紗、羅、麻などが代表。いずれも細い糸で隙間が出来るように織るため、通気性に富んでます。仕立てる時は透けても見苦しくないようにします。

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